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経済学部旧HP

留学報告書REPORT

経済学部経営法学科 4年 女子
留学先:トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学(2019年10月~2020年4月)

留学の動機と準備(語学、ビザなど)

留学の動機

留学を真剣に考えたきっかけは、中国大連キャリア研修に参加して現地の学生から刺激を受けたことです。夢や目標をしっかり持っており勉強量も多く何よりスピード感がある学生を見て背中を押されました。そのような時に知ったのが「トビタテ!留学JAPAN」の存在です。奨学金を頂ければ長期留学の夢にグッと近づけると考えて応募した結果、奨学生として採択していただき給付型奨学金をいただける事になりました。

留学先は最初から東南アジアに決めていました。高校3年生でミャンマーへ行ったのですがアジアの若者のエネルギー感に魅了されたと同時に「体力もやる気もあるのに教育の機会が与えられずエネルギーが有効活用されていない...」と感じてやりきれない気持ちになったのがきっかけで将来は東南アジアの若者を輝かせられるような仕事をしたいと思うようになりました。東南アジア各国の留学経験のある先輩たちに話を聞き、「トビタテ」が課す実践活動(現地語の勉強・ボランティア・インターンシップなど)が行えるように留学計画を立てました。語学に関しては大学1年生の時にTOEIC875点を取得していたため、たまたま基準は満たしていましたがTOEFLやIELTSを求められていた場合は間に合わなかったと思います。また、VISAに関しては早めに申請をしたのですが予想以上に時間がかかったため、後輩の皆様も十分余裕を持って計画を立てて頂ければと思います。

留学生活について

住居(寮やアパートの設備)

寮はエアコン付きのシングルルームで、キッチンとシャワールームは2人の外国人学生とシェアしていました。アパートにはWi-Fiや中庭、学校へのシャトルバスなどがあり快適に過ごすことが出来ました。

生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法、携帯電話など)

気候

マレーシアは常夏の気候で、1年を通して夏服で過ごすことが出来ますが、室内や車内は冷房がよく効いていてとても寒いので長袖は常に持ち歩いていました。

食事

主にマレー系、中国系、インド系など、マレーシアの各民族それぞれの料理が楽しめるだけでなく、他民族の食材や調理法から影響を受けて融合した料理も多いため、マレーシアの多文化的要素の反映となっています。

大学周辺の様子

私が通っていたスンガイロン・キャンパスは、クアラルンプールからは少し離れた郊外だったため、大学の徒歩圏内にはほとんど飲食店や生活必需品を売る店しかありませんでした。車で20分ほどの所にAEONがありましたがショッピングや遊びはクアラルンプールまで行くことが多かったです。

交通機関

交通機関はあまり整っていないため、「Grab」と呼ばれる配車アプリを使ってタクシーで最寄りのMRTの駅まで移動することが多かったです。Grabは日本のタクシーに比べるととても安いです。

お金の管理方法

お金の管理は、主に月の始めに現地のATM(学校やショッピングセンターなどどこにでもある)でデビットカード(VISA)を使って日本の口座のお金を5万円分程おろして使って、足りなくなったらまたおろすという方法をとっていました。ATMにかかる手数料が高いので出来るだけ利用回数は減らすようにしていました。他にもクレジットカードを2枚持って行き、もし片方が無くなったり使えなくなったりしても生活に困らないようにしていました。実際に私はクレジットカードが不正利用されている疑いで1枚利用できなくなってしまいました。

携帯電話

携帯電話は、日本で使っていた端末のSIMロックを解除しておき、現地でSIMを購入して、現地でも電話番号を習得してWi-Fiが無い所でも使えるようにしました。SIMは50GB使えて月額約1300円程でした。

留学時の毎月の生活費(寮費、食費、娯楽費など)

  • 家賃 月額500リンギット(約13,276円)
  • 食費 1食5~10リンギット(約130~400円)
マレーシアの他の大学生街に比べると明らかに生活費が安いです。KL中心部やマレーシア最大の学生街であるスバンジャヤのおよそ半額で、地元のマレーシア人もみな口を揃えて「この地域が間違いなくマレーシアの学生街の中で最安」と言っていました。また、マレーシアの物価が日本の3分の1ほどだったということもあり、「トビタテ」の奨学金は留学準備金と留学中の生活費を支払っても余る程でした。

学習、研究以外の活動(スポーツ、文化活動、週末や長期休暇の過ごし方など)

授業にない曜日には日本人起業家団体でインターンを行いました。また、UTARが持つユニークな制度に 「授業外のポイント制度」があります。学校内部のワークショップ、外部の企業や講師を招いたセミナー、ボランティア活動、イベントなどに参加してポイントを集めるという制度です。このポイントが計100を超えると卒業時に証明書が貰えて、この証明書が就活の際に様々な企業に評価されるということで、ほとんどの学生がポイントを集めています。その一環として、週末や休暇は、先住民族の住むエリアへのボランティア活動に参加して、小学生たちに日本語を教えたり、彼らの夢を折り紙に書いてもらって1つの芸術作品にしたりしました。新興国の実情を自分の目で確認し、彼らが今抱える課題とその本質に対する理解を深め、有効な解決策を探るように努めました。また、日本の「もったいない文化」を伝える150名規模の文化交流イベントや日本について教えるワークショップに運営として参加しました。他にも、休暇中はマレーシアの様々な場所に旅をしました。日本語を教える現地の大学の先生に「ホームステイしなさい」と薦められたこともあり、中国の旧正月は中華系の友達の実家で過ごしました。

留学中の学習の概要

外国人が日本の企業の中で共存しながら共に産業発展に貢献していく方法を、多文化共生の優等生の国マレーシアの大学で学ぶことを目的としていました。異なる3つの民族が1つになって、2020年までの先進国入りを目指してどのように経済発展を実現していくのかということを学ぶため、経済の授業はもちろん、国際経営管理の授業を履修したり、現地の学生にインタビュー調査を行いながら彼らの多文化共生についての意見について認識を深めることが出来ました。また、マレー語の授業も履修しました。

留学面での苦労・アドバイス等

最初の学期は英語にも慣れていなかったので授業についていけず苦労しました。マレーシアの大学は、基本的に大人数で行われるレクチャーと少人数のグループに分かれて行われるチュートリアルがセットで1つの授業になっています。チュートリアルではレポートとプレゼンをグループで行う形態が基本でしたが、先生がいきなり「日本人のアナタはどういう意見?」と私を名指しすることも多く毎回とても大変でした。また、私が日本人だと知ったクラスメイトが授業後すぐに私の周りを囲んで質問責めになったこともあります。最初は驚きや戸惑いもありましたがそのような周りの優秀な学生に色々と助けてもらわなければと自分の方からも積極的に話しかけてどんどん友達をつくっていたので、人に助けを求める謙虚さや分からないことを確認する勇気を持つことが大切だと感じました。他にも「なぜ日本はゼロ金利政策を行ったのかレポートにまとめて欲しい」と言われて困ったこともあるので、自分の専門分野や日本のことを英語で説明できるくらいしっかり準備しておかなければいけないと感じました。

留学を振り返って

解決策が一見ないように感じる困難な状況の中で勇気を出すことが留学における価値だと感じます。行動した分だけ目に見える形で成果が得られることからくる達成感や満足感、深い喜びが得られます。その中では自分の思い通りにいかないことに、涙が出るくらい悔しいことがあるかもしれませんが、その体験に絶望せず前向きに乗り越えれば大きく成長でき、自身も持てるようになります。

今後留学を考えている学生へのメッセージ・アドバイス

自分と異なる文化を持つ人々について、うわべだけでなく深く理解をするようにしてください。それまでの自分の理想や考えが正しいわけではない事を明記していなければ、学びの機会損失になります。先進国から途上国に行くと、支援する側だという認識でいる傾向があるかもしれません。それでは相手の立場になって考えることが出来なくなるため、上手く信頼関係の構築ができなかったり、ニーズを正確に汲み取れなかったりといった様々な弊害が生じます。色々書きましたが後悔のないよう、体に気をつけて、目一杯楽しんでください!応援しています!