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経済学部旧HP

留学報告書REPORT

経済学部経営学科 3年 女子
留学先:トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学(2019年10月~2020年1月)

留学の動機と準備(語学、ビザなど)

留学の動機

もともと留学願望はありましたが、大学から留学するのか、私費で個人留学するのか、悩んでいました。ある日、富山大学の協定校にマレーシアの大学があることをマレーシア在住の親戚に話したら、「その大学はこっちでも評判もいいし留学先に良いんじゃないか」と言われたこともあり、大学の交換留学に応募を決めました。

留学の準備

ビザは渋谷の大使館に取りに行きました。少し時間はかかりますが渋谷駅から歩くこともできます。書類さえきちんと持っていけばなにも難しい手続き等はなくあっさりと発効していただけました。

留学生活について

住居(寮やアパートの設備)

住居に関しては前述したとおり親戚がマレーシア在住のため、そこに滞在していました。

生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法、携帯電話など)

気候

マレーシアには日本のような四季はありません。雨季と乾季の2つです。文字通り雨季の時期は、特に夕方、凄まじいスコールに見舞われます。日によっては昼過ぎから降るので大学の校舎の入り口で雨宿りをしながら止むのを待つこともありました。紫外線が強いので外を歩くことが多いと髪の毛と皮膚がひどく痛みます。

大学周辺の様子

食べ物のお店がたくさんあるので、お昼を挟んで授業のある時は色々食べに行きました。コンビニもファミリーマートとmyNEWS.comというマレーシアのコンビニがあるため特に困ることはありません。

交通機関

マレーシアには様々な交通システムがありますが、私が1番利用するのはMRTです。大学からGrab(タクシーのようなもの)で15分くらいのところにも駅がありクアラルンプールの中心部へのアクセスも良いので利用者も多いです。日本でいうSuicaのようなTouch'n Goというカードを購入すると便利です。駅などでチャージすることができバスなどでも使うことができます。

食事

私はミーゴレンが好きで大学の近くの店でも昼ごはんによく食べていました。ドライパンミーという幅広麺の混ぜ麺もオススメです。もちろん日本食が食べたい日もあるので大学が早く終わった日は、MRTを使って、クアラルンプールの中心部まで行き、LOT10という建物にある伊勢丹のレストラン街をよく利用していました。何を食べるかで値段はまちまちですがミーゴレンなどは150−200円ほどで食べることができます。日本食やイタリアンなどの洋食はもう少し値がはります。

留学時の毎月の生活費(寮費、食費、娯楽費など)

私の場合は寮費等は必要なかったので、外食代とGrab代そして買い物や遊びに行くためのお金で月に約15000円ほどでした。

学習、研究以外の活動(スポーツ、文化活動、週末や長期休暇の過ごし方など)

短い期間の留学だったのでサークルには入りませんでした。友人とショッピングモールに行ったり、寺院や市場を見に行ったりしていました。

留学中の学習の概要

経済系の授業を3つ受講していました。使用言語は英語です。1つの科目につき講義タイプの授業が2時間×週2回、チュートリアルと呼ばれる少人数で行われる授業が1時間~1時間半×週2回で構成されており、つまり私の場合は週に12コマ授業がありました。チュートリアルでは必ずグループ課題があり、それを4~6人ほどのグループで行っていました。発表するまでがセットである場合が多いので提出するものとは別にパワーポイント等を使用して他のクラスメイトや先生の前で発表します。アニメ形式で発表資料作成することもあり、初めてことに戸惑いつつもとても良い経験をすることができました。

留学面での苦労・アドバイス等

留学面での苦労

現地の学生にとっては当たり前のことがわからないのが最初は大変でした。授業で使うプリントの入手方法、教科書の入手方法、休講情報などです。特に初めて授業に行った時、教室も間違ってない、大学のメールには休講情報は来ていないのに先生も学生もおらず教室がもぬけのからだったことがありました。しばらく廊下で待っていても誰も来ないので、留学支援課へ行き事情を説明しにいったところ、「教室は合っているから学部の事務室に行ってみてね」といわれたので学部の事務室まで行ってみたら履修登録のシーズンだったこともあり、すごい行列でした。途中まで並んでみましたが、もうその頃には授業時間もほとんど終わっていたこともあり私は並ぶのを諦めました。数日後、なぜあの時授業なかったの?と友人に聞いてみたところ、その授業の担当の先生はいつも1回目は休講になるとのことでした。今となっては笑い話ですが、あの時は半泣きになりながら教室と携帯(受講情報などが書いてあるページ)を見比べ、どうしようもない不安を感じたことをよく覚えています。 徐々にそういった当たり前のことを教えてくれるクラスメイトに出会い問題なく日常が送れるようになるので、アドバイスといえるほど大それたものはありませんが最初は何かあっても焦らなくてもいいということは書いておこうと思います。

語学の面に関しても問題は山積みでした。最初の方は、授業に全くついていけませんでした。ですので、まず授業のプリント全てに事前に目を通しわからないとこは全て調べてから授業に臨むことにしました。予習と呼ぶこともできないレベルのことですが最初は一回分の講義のプリントの内容を理解するのに4時間以上かかりました。これを毎日繰り返して、最後にはスムーズに100%授業が理解できたのかと問われれば、否 としか答えられません。ですが徐々に事前学習の時間も短くて済むようになり完璧とは言えなくても少しは授業が理解できるようになったのは事実です。自分が理解しようとすることを諦めなければ少しずつでも前に進むことはできるということを強く実感しました。

留学を振り返って

セメスターという短い期間の留学でした。ですが得られたものは大きかったと思います。日本では受けることの出来ない分野の授業も受けました。あまりに中間テストが出来なさすぎて担当の先生が放課後にテストの解説をしてくださったこともありました。グループメイトに助けられながら完成させた課題で高得点を取ることができた時は飛び上がって喜びました。自分の無力さを痛感することもありました。たった数ヶ月でしたが本当に密度のある日々を過ごすことが出来たと思っています。今回の留学と同じくらいの期間を海外で過ごしたこともありますがやはり留学という経験は全くの別物でした。加えて、私は富山大学では経済系の授業はほとんど取っていません。ほぼ全て法律系の授業です。なので、今回、新しいことを母国語以外で学ぶという新たな経験をしました。ホワイトボードに書いてあること全てがわからなかった期間を経て全部とは言いませんが一部は自分の知識にできたという面には自分自身の成長も感じています。

今後留学を考えている学生へのメッセージ・アドバイス

留学したいと思った時最初に障害になるものはなんでしょうか。お金、時間、海外で生活する恐怖、その他色々あるでしょうが言語と新たなコミュニティに足を踏み入れることへの不安がネックになる学生も一定数いるのではないでしょうか。留学してみたいけど、留学は明るくて語学が堪能な人のものと思っている学生もいるでしょう。そういう学生さん達へ向けて書こうと思います。

私は英語が苦手です。受験の時に足を引っ張った科目で1位を争えるほど苦手です。加えて大学に入学してから全く馴染めず当たり前に過ごせると思っていたキャンパスライフも過ごせず、学校に行けない時もありました。これだけみただけでも留学してそうな学生からはるかにかけ離れているのがわかるでしょう。けれどそういう学生にこそ留学という一歩を踏みだしてみてほしいと思います。行ってみれば、私みたいに英語が苦手な人相手に話しかけてくれてゆっくり話を聞いてくれて仲良くしようと歩み寄ってくれる子もいます。学校に馴染めるように色々教えてくれる子もいます。想像以上に学生さん達は優しく、手助けをしてくれました。わからないことも聞けばちゃんと教えてくれます。そうして交流するうちに徐々に語学力もちょっとずつですが確実に成長します。私も留学する前は不安で仕方ありませんでした。授業が始まるのも怖かった。でも周りの人達に支えられながらなんとか最後までやり切ることができました。それに、友人もできました。もちろん大変なこともあります。嫌な思いをすることだってあります。でもそれを遥かに上回るほどいい経験になることは間違いないでしょう。

大それた言い方をするのなら、"世界は意外と自分に優しい" こう思って不安になりすぎず心配しすぎず留学してみてください。