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経済学部旧HP

留学報告書REPORT

経済学部経済学科 3年 男子
留学先:国民大学校(2019年9月~2020年7月)

留学の動機と準備(語学、ビザなど)

留学の動機

富山大学に入学する以前から長期の交換留学は考えていました。数ある留学先の中で私が韓国の国民大学校を選んだ理由は、依然としてリアルタイムで変化し続ける日韓情勢を韓国の視点から見てみたいと思ったからです。私が留学を始めたころは韓国と北朝鮮の関係が改善する方向に進んで、日本が韓国に対して経済制裁を与えたりなどで日韓関係は戦後最悪でした。しかし、現在進行形で変化している日韓情勢を自分の肌で感じ学びたいと思い、韓国の国民大学校に留学を決意しました。そもそも留学先を韓国にしようと思ったきっかけは、大学1年の夏マレーシアに留学した際に出会った一人の友人でした。彼女は日本の植民地時代を経験した祖母の影響で日本人に対して良いイメージを持っていませんでしたが、私を含めた日本人たちと3週間過ごすことでそのイメージがいい方向に変わったと言ってくれました。私は彼女の日本に対する認識を変えることができ嬉しかった半面、日本軍がマレーシアを植民地化し現地の女性を不当に扱っていた過去を知らなかったことに恥ずかしくなりました。それがきっかけで帰国後には日本の周辺国との歴史を調べるようになり、隣国である韓国とは依然として歴史問題が残っていることに気づきました。当時私は垣田ゼミで貿易について学んでいたのですが、貿易は究極的には人と人の間で行う取引だと考え、相手のバックグラウンドや両国の関係を正しく理解する必要があると思い韓国で留学をすることになりました。

語学

語学に関しては第二外国語でも韓国語を勉強したことがなかったので、留学に行く前に独学で勉強していました。私が交換留学をした国民大学校は韓国語の条件がありませんでした。なので、正直韓国語が全く話せなくても留学に行けるので韓国語の心配はほとんどしなくて大丈夫です。私も渡航前は英語で言うアルファベットを発音できる程度のレベルでしたが、10か月も韓国にいると話せるようになりました。

ビザ

私は住民票が富山県にあったので、新潟の駐新潟韓国大使館まで行きビザを取得しました。ビザを取得するための書類集めは複雑で大変だったので時間に余裕をもって申請することを勧めます。わからないことがあれば直接大使館に電話をしてお聞きすることが効率的です。

留学生活について

住居(寮やアパートの設備)

寮は大学の敷地内にある4人部屋です。日本人の男子留学生は私以外いなかったので、最初の学期はドイツ人2人とロシア人1人の3人で暮らしていました。日本人の女子大学生は割と多いので、日本人だけで固められる場合がほとんどだと思います。集団での生活は慣れるのに時間がかかると思いますが、仲良くなれば週末にルームメイトと遊びに出かけたりなどして日本では経験することができない生活を送ることができます。私のルームメイトは韓国語が全く話せなかったのでコミュニケーションは英語で行い、韓国留学中に英語と韓国語の2言語を学ぶことができました。

施設に関してはフロアに共有の冷蔵庫と電子レンジがついています。お風呂とトイレは4人部屋に1つずつありました。ベッドは2段ベッドで、勉強机が1人1つ付いていました。

生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法、携帯電話など)

気候

4月から6月くらいまでは基本的に天気も良く、気温は平均16℃くらいで過ごしやすいです。しかし、7月から8月にかけて梅雨に入るため天気が悪ければ湿度も高く外に出るのが嫌になります。9月の後半ぐらいから秋に入り、春と同様天気も良く過ごしやすくなります。10月後半から11月初旬にかけて気温が1桁になり肌寒くなりますが、基本的に雨は降らず毎日天気が良いです。12月に入ると氷点下まで気温が下がりロングペディンという膝くらいまである長いダウンが必需品となります。1月から3月の間はたまに雪がちらちら降るときもあります。この時期は寒くて-15℃近くまで下がりますがほぼ毎日晴れているので過ごしやすいです。しかし先ほども説明したロングペディンは必須です。

大学周辺の様子

大学の周りにはリーズナブルな飲み屋や飲食店が多いのでご飯に困るとはありません。平日でも授業終わりなどクラスメイトと飲みに行くことも多かったです。大学の前と寮の近くにはバス停があり、バスに乗って10分もすれば地下鉄の駅もあるので立地が悪いわけではありません。コンビニは寮の中(24時間無人営業)と寮の目の前にあり、スーパーは徒歩10分圏内にあるので日常品の買い物にも困りません。

お金の管理方法

韓国ではほとんど紙幣を使わないので、日本でクレジットカードを作って持っていってください。クレジットカードの種類がお店によって対応してない場合もありますので、年のためクレジットカードは会社別で2枚作ることをお勧めします。

携帯電話

JK Mobileという新村にある日本人対応のある会社でSIMカードを契約することをお勧めします。料金はギガ使い放題で36,000won/月でした。

留学時の毎月の生活費(寮費、食費、娯楽費など)

  • 寮 費:約2万円/月 (1学期7万円, 1学期=4か月)
  • 食 費:約4.5万円/月 韓国では宅配でご飯を頼むことが多いです。
  • 娯楽費:約2万円/月 韓国の居酒屋は安いので1件2~3千円で済ますことができます。
  • 交通費:約2,500円/月 韓国の交通機関はソウル市内であれば130円でどこまでも行くことができ、乗り継ぎ代金も20円ほどなので交通費はそこまでかかりません。

学習、研究以外の活動(スポーツ、文化活動、週末や長期休暇の過ごし方など)

サークルは日本学科のサッカー部と、日本学科の韓国人と日本人が交流する『ゆい』という団体、そして世界中から来た留学生と韓国人が交流する団体『GPS』に所属していました。 『ゆい』では月に一回外に遊びに行くイベントがあり、漢江にピクニックをしに行き、エバーランドという遊園地にも行きました。留学中はたくさんのコミュニティに所属することをおすすめします。

長期休暇では韓国人の友人と釜山に旅行しに行ったりなどしました。

留学中の学習の概要

留学を始めたころは韓国語で自己紹介することも難しかったので、韓国語を学ぶ授業を多めに取りつつ、日本語で行われる日韓情勢の授業を韓国人と一緒に受講していました。2学期からは韓国語にも慣れてきたので韓国語で専門の授業を聞くようになりました。また英語でマーケティングの授業を聞いたりもしました。

留学面での苦労・アドバイス等

私は留学当初、韓国語ができずとも英語が話せたので言語の壁に衝突したことがほとんどありませんでした。しかし留学時に一番しんどかった事は周りの留学生の能力が高すぎて自己嫌悪に陥ってしまうことでした。もちろんいい刺激を受けることも多かったですが、彼らと比較することは精神的にしんどかったです。しかしある時、他人と比べる必要はなく過去の自分と比較することが大事だと気づき、自分に自信を持って留学生活を送ることができるようになり、自然とスキルなども身についてきていました。韓国留学では自分よりもすごい方に出会えて毎日刺激を受けることができますが、他人は他人、自分は自分なので周りに影響されすぎず自分がやりたいことを本気で取り組む姿勢が大事だと思います。

留学を振り返って

私は韓国に渡航する前までは、10か月間韓国で留学した後にその経験を活かして日本で就職しようと考えていました。しかし交換留学を終えた今では韓国の大学に3年次編入することに決まり韓国での就職を考えるようになりました。ソウルは自分自身が成長しやすい環境であることに気付いたため編入することに決めたのですが、韓国留学は私にとって人生の大きな分岐点となりました。

また、私自身が留学前と比べて大きく成長できたのは韓国で出会った友人のお陰だと思うので、留学中は受け身にならず積極的にアクションを起こして人脈を築くことが大事だと気づきました。

今後留学を考えている学生へのメッセージ・アドバイス

コロナ禍で韓国留学に行けなくなった方も多いと思いますが、コロナ禍でもできることはたくさんあります。今自分にできることを探して、自分の中で限界を作らずに留学準備頑張ってください。