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経済学部旧HP

留学報告書REPORT

経済学部経営学科 3年
留学先:トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学 スンガイロン キャンパス(2021年1月~2022年1月)

留学の動機と準備(語学、ビザなど)

留学の動機

私は、中学生の時から英語という科目が好きでした。どの教科よりも点数がとれたから好きなのか、好きだから得意だったのかはわかりませんが、英語というものに抵抗がありませんでした。高校在学時にカナダに2週間ホームステイできるというプログラムを見つけ応募しました。2週間という短い期間でしたが、リアルな英語に触れ、カナダの文化に触れ、外国に漠然と興味を持つようになりました。そこから海外文化に興味をもったという経緯があります。

しかし、その後新型コロナウイルスが広がり海外旅行や留学に行くということは難しくなってしまいました。そしてようやくコロナが蔓延的なものになって、海外へ渡航することが可能になりました。

そしてここからはマレーシアという国を選んだ理由です。

1つ目は、多民族国家であるということです。マレーシアはマレー系、中国系、インド系と主にこの3つの民族が共存しています。1つの国で3つの文化を学び、楽しむことができます。日本ではほとんど日本人しかいないという状況で暮らしてきましたが、3つの民族が共存しているとどうなるのかということに興味を持ちました。

2つ目は、マレーシアの人はほとんど英語を話せるということです。英語を話せるようになりたかったので、英語を話す国を選ぶ必要がありました。公用語はマレー語ですが、ほとんどの人が英語を話すことができます。しかし、それならばアメリカなどのほうがいいのではとなりますが、マレーシアで実際に感じたのは、ネイティブスピーカーではないため間違いを気にしない傾向があったので、私も気にせず話すことができたという点です。

3つ目の理由は経済・金銭面です。アメリカやオーストラリア、イギリスは物価や生活費が高く経済面での懸念がありました。その点マレーシアは、物価が安くお金の心配が減ります。実際、月にかかる生活費は、8万円ほどだと思います。

以上が、私がマレーシア留学を選んだ主な理由です。

留学生活について

住居(寮やアパートの設備)

居住場所は大学が斡旋している寮のようなところに滞在していました。家賃は650RMで約2万円ほどでした。2018年にフルリノベーションしたとのことで、部屋はきれいでした。三人でリビングとキッチンをシェアするような形で、各々プライベートルームがあるという寮でした。特に問題もなく、みんなで仲良く過ごしていました。ただ、ほかの部屋ではたびたび問題があったということも聞いたので、シェアハウスの難しさも知りました。やはり違うバックグラウンドがある中での共同生活というものは、トラブルがつきものになると思います。

生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法、携帯電話など)

気候

気候は一年を通じて暑いです。ただ暑くても28度ほどで湿度も高いですが、日本の真夏よりは断然涼しいです。朝、夜は涼しくて過ごしやすいので、多くのマレーシア人は夜に活発になります。

大学周辺の様子

大学周辺は、必要な物はほとんどそろうと思います。飲食店や日用品などは居住エリアにあるので非常に便利です。ただ、首都クアラルンプールまで1時間ほど電車でかかります。その最寄り駅までもバスかタクシーでないと行けないため不便です。私は、スンガイロンキャンパス(ビルのような建物が2つ)にいたのでクアラルンプールに近かったです。もうひとつカンパーキャンパスというところがあり、一度行きましたが自然豊かで湖を囲むようにあるキャンパスは非常に広かったです。ただクアラルンプールまではバスで3~4時間ほど離れていると思います

交通機関

交通機関は、首都まで行けば電車やバスなど普及しているので便利ですが、地方はバスやGRABというタクシーの配車アプリを使う必要がありました。10分ほどGRABに乗っても300円ほどなので比較的安いと思います。4人などで乗ればバスより安くいけることもしばしばありました。

留学時の毎月の生活費(寮費、食費、娯楽費など)

生活費としては、平均して8-9万円ほどだったと思います。内訳としては、寮費2万円、食費2万円、娯楽費2万円、交通費0.5万円、その他1万円、あとは旅行に行くことも多くあったので旅費にお金がかかりました。1年間でマレーシアの観光名所はほとんど行けましたし、日本より安く近隣の国へも行くことができ非常に良かったです。

学習、研究以外の活動(スポーツ、文化活動、週末や長期休暇の過ごし方など)

日常生活では、ルームメイトや同じ建物に住む留学生とよく出かけたりご飯を食べたりしました。現地の学生はもともと友達がいて、その中に参加するのはなかなか大変だと感じました。そこで基本的には、マレーシア人のルームメイトと旅行に行ったり、日ごろから自炊したりしていました。また、他国からの留学生との交流も多かったです。大学の休みの期間には、旅行に行くことが多かったです。交通費が安く、旅行しやすかったと思います。

学外活動では、フットサルチームに参加して週に一回参加していました。定期的に運動することで健康面でもよかったと思います。また、スポーツを一緒にすることは、仲良くなるのに効果的だと思いました。日本人は珍しいため、良く話しかけられました。ワールドカップのシーズンでは日本を応援している人が多くて、とてもうれしい気持ちになったことを覚えています。

留学中の学習の概要

私は、留学先で3セメスターを経験しました。最初のセメスターは、ハイブリッド形式でオンラインと対面の混合でした。そのため、学校に行っても先生とマンツーマンで、ほかの生徒はオンラインで受講しているというケースがよくありました。ただそのおかげで授業後に質問しに行きやすく、理解度を高めることに役立ったり、先生との会話から英語を練習したりと留学の基礎段階を作ることができました。次のセメスターではより多くの生徒が来るようになり、授業中にディスカッションやプレゼンテーションをする機会が増えました。そして英語にも慣れてきた時期だったため、現地の学生との意見交換ができより有意義でした。最後のセメスターでは完全対面授業に戻ったため、より多くの学生とかかわる機会が増え一番充実していました。また、他国からの留学生も増えて休日に一緒に出かけることもよくしていました。

プレゼンテーションやグループワークなどは大変いい勉強になりましたが、最初はかなり苦労しました。みんなの前で話すことは日本語でも難しいにもかかわらず、それを英語でやるとなると、より大変でした。しっかり準備して練習して挑むことでうまくいったり、アドリブを交えたりして乗り切ることができました。中国系の大学なのでグループワークではほとんどの学生が中国語で会話していて、そのあとで英語に翻訳してもらうということが多かったです。あまり参加できていないような感じがしたので、中国語の勉強も同時に行っていましたが、最初から基礎が出来ていればより良かったと思います。英語で話してと頼むと、英語の会話になるのでそれでようやく会話に参加できたと思います。

留学面での苦労・アドバイス等

苦労したところは、英語を話すことになれるまでの期間でした。最初の方は、話すどころか聞き取ることに時間がかかりました。多くの留学生が最初から英語を話せるため、大きな差を感じました。最初の2,3ヶ月で聞き取れるようになり、会話に参加できるようになったと思います。その後は、成長が早かったと思います。英語を話せるようになる近道は会話量を増やすことだと思います。夜遅くまで友達と会話することも結構あり、自分自身で勉強するよりも会話の中でインプットして覚えた表現をアウトプットするというのが、非常に効果的だったと思います。間違いを恐れずとにかく話してみるということが大切だと思います。

また、デング熱に感染したことも大きなトラブルだったと思います。40度近い高熱に1週間ほど悩まされました。また、初めてのマレーシアの病院ということもあり、病気でつらい時に英語で説明する大変さもあったり、専門用語がわからなかったりと友達に助けてもらいどうにかなりました。入院して治療費が17万円ほどでしたが、保険が適用できたので保険の大切さを知ることにもなりました。

留学を振り返って

私が得られた成果としては、語学力はもちろん異文化理解、新しい言語習得への抵抗が減ったこと、積極的に人と話すこと、自分の意見を持つことだと思います。

新しい言語の習得というのは、マレー語と中国語をすこし勉強していたからです。学ぼうと思った理由は、現地の言葉で交流するとより仲良くなれるからです。地方に行くとあまり英語を使わずマレー語しかしゃべれない方も多くいます。そこで注文するとき、マレー語を使うと驚かれたり、日本人に興味があったりで仲良く楽しむことができます。また、中国語は、中国、台湾からの留学生や学校での会話で少しでもわかると嬉しく、もっと話したいと思えるようになりました。そういったことを通じて英語だけでなく、ほかの言語を学ぶという、いい機会になり言語の楽しさを知ったと思います。

また、人と話すことに抵抗がなくなりました。初対面の人には、緊張することがありましたが、昔と比べてその気持ちがなくなったと思います。新しい人と話すことで学べることや得られることは多く、関わる人が多くなれば、必然的により広い世界になっていくと思います。英語を話せることで、旅行先で出会った外国人と普通に会話でき、その国を知り、行きたいという気持ちが生まれました。それは、英語ができるようになったということが大きな要因かもしれません。

さらに自分の意見を持つことの大切さを感じました。日本人は人に流されやすく、留学生たちにも、日本人はYESしか言わないという風に言われ気づかされました。しっかりと自分の意見を持ちそれを相手に伝えることで初めて意見交換ができ、思っていることを伝えることの大切さを知りました。英語ができないとこれも難しいことだと思いました。英語が話せるようになって本当に良かったと感じています。

今後留学を考えている学生へのメッセージ・アドバイス

少しでも留学に行きたい気持ちがある方や、迷っている方がいるなら絶対に行くべきだと思います。日本では経験できないことだらけで充実した一年間を過ごすことが出来ました。少しでもチャンスがあるなら挑戦してみて欲しいと思います。金銭面で不安がある方も多いと思いますが、大学や地方自治体の留学の奨学金を利用して行くことが出来ると思います。就職活動面で不安がある人もいると思いますが、私自身周りと比べ1年間遅れていますが、就職活動の面接では話せることが多く、それが大きな自信となって就職活動もスムーズにできたと思います。