留学報告書REPORT
経済学部経済学科 4年
留学先:開南大学(2022年2月~2024年1月)
留学の動機と準備(語学、ビザなど)
【動機】中高生の頃から英語に興味があり、また留学経験者と触れ合う機会を通じて「留学」に憧れを持つようになりました。ただ金銭的な問題もあり、行くなら大学進学後に交換留学での留学を考えていていました。「1.できるだけ長期間行く 2.語学留学ではなく外国語で専門科目を勉強する」この2点を最重要視して、制度を探しそれに当てはまると考えたダブルディグリープログラムに応募することを決めました。
【準備】準備を始めるのは早ければ早いほど良いというのは、留学に関しては周知の事実かと思いますが、本当にその通りです。私は、3年次からの渡航に向け、入学直後から制度の詳細を調べたり、担当の教授に連絡を取ったりし始めました。2年次5月頃までに語学力の証明書を提出する必要があり、1年次3月にTOEICとHSKを取得しました。特にHSKに関しては、私は中国語初学者だったので、学校の第二外国語の授業とは別に半年ほど参考書を使い勉強しました。
2年次夏ごろに正式な派遣が決定し、派遣決定後は、必要書類の作成や保険、VISA等の申請を行いました。時期的に、渡航準備と大学のテストが重なっていて大変でした。また、語学面の準備としては渡航前の4か月間、大学近くの中国語教室に通いました。皆さんには留学に行けると決まったら、是非日常会話レベルまでは頑張って準備してから行くことをお勧めします。渡航後の充実後がグンと上がると思います。
留学生活について
住居(寮やアパートの設備)
学校敷地内にある寮に住んでいました。4人部屋で、室内には各個人のスペースの他、冷蔵庫、エアコン(暖房なし)が設置されており、シャワー室・トイレ・洗濯機は各階共有でした。学校周辺のアパートで1人暮らしすることもできましたが、寮の家賃が安いこと(半期約6.5万円)、学校に行くのに便利なことなどから寮を選択しました。夏季冬季の長期休みに寮に住み続けたい場合、別途申請(約700円/日)が必要でした。
生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法、携帯電話など)
気候
日本の春・秋のような過ごしやすい期間は少なく、暑い時期が終わったら急に寒くなります。12.1月は日本の冬のように寒くなる日もあります。また寮をはじめとして、暖房設備がない場所も多いので防寒具も必須です。さらに大学のある台湾北部は、冬は湿度が高く、部屋の除湿も欠かせません。
交通機関
台湾の公共交通機関やタクシーは、日本より割安なので利用しやすいです。日用品等の買い出しに行く際は、シェアサイクルや学校のバスを利用しました。また、友人と複数人で遠出する際には車を借りて運転していました。
食事
基本的には自炊をしていましたが部屋にキッチンはないので、電気鍋やレンジを利用した簡単な料理でした。渡航前は台湾料理が口に合うか心配でしたが、もし苦手でも、自炊や、あるいは台湾には日本のチェーン店や日本食の店のような馴染みのある店もたくさんあるので、食事に関してそこまで心配する必要はなかったです。また、スーパーやコンビニでもたくさんの日本の商品が入手可能です。
お金の管理方法
換金方法として、日本から現金を持っていき現地換金するのと、クレジットカード等の海外キャッシング機能を利用するのが主な換金方法かと思いますが、私は主に前者の方法を使いました。日本円を渡航時に持ってきて、現地の銀行で換金していました。換金した台湾ドルは現地で開設した銀行口座で保管していました。
携帯電話
SIMを現地の通信会社で契約しました。学生の使い放題プランで、料金はネットと電話が使い放題で、月3,000円ほどでした。端末は日本で使っていたものをそのまま使いました。日本のSIMは解約せず渡航の際に一時休止し、一時帰国の際に再開するというのを繰り返して、日本の電話番号は帰ったらそのまま使えるようにしていました。
留学時の毎月の生活費(寮費、食費、娯楽費など)
【寮費】私が住んでいた部屋は先ほど触れたような感じですが、シャワー・トイレが各部屋内にある場合や、部屋の人数で料金の変動があります。また、外部のマンションで一人暮らしする場合、家賃は約3~4万円/月ほどで家具は備え付けの場合が多いです。
【生活費】寮費を除く食費や娯楽費、交通費、通信費は、1~1.5万元/月(6万円前後)くらいで過ごしていました。私の場合、日本にいる時より食費がかさむ印象があったのと、旅行にたくさん行ったので、その分の出費が多かったです。また、最初の渡航時に奨学金を48万円いただいていましたが、それは隔離のホテル代や航空券等でほとんど使い切ってしまったので、生活費には貯金と仕送りを充てました。
学習、研究以外の活動(スポーツ、文化活動、週末や長期休暇の過ごし方など)
部活やサークルには所属していませんでした。放課後は、友人と出かけたりしました。
長期休みは、その半分は帰国して残りは台湾に戻って生きて旅行したりしました。また、帰国前の1学期は授業も少なかったので、インターンや日本食のお店でのアルバイトも経験しました。
留学中の学習の概要
開南大学での卒業要件を満たすため、会計学科の授業を中心に履修しました。授業は全て中国語で行われたので、中国語の語学力があまり高くない私は、先生方やクラスメイトに助けてもらう場面が多かったです。また、外国人留学生向けの中国語学習の授業や教養科目の体育やお菓子作りの授業も履修しました。また、必修科目の一環で国税局でのインターンに1か月半参加しました。大学には日本人が多く在籍していますが、学科は全員台湾人でした。
現地での生活=中国語学習ともいえる中、学習効率を高めるために、買い物などの場面で漢字の読みや言いまわしを調べるために翻訳を使うとき、「相手に伝える時は自分で話すこと」を徹底して、翻訳結果の画面をそのまま見せたり、英語や日本語など話せる言語に逃げたりしないことを意識しました。また学習するときは、いつも発音や声調を特に意識していたため、生活の中で生きた中国語を多く聞くことを心掛けました。
留学面での苦労・アドバイス等
留学中は、小さな苦労や失敗はつきもので何度も何度も直面するものだと思います。日本で生活していたらしないような失敗を数えきれないほどしまいましたが、あまり落ち込みすぎず、そのたびに少し成長している、くらいに捉えるのがよいと思いました。インターンやアルバイト中は、学校と違い自分の語学力を全く知らない人と接することになるので、意思疎通が上手く図れないことも多く特に苦労しました。しかしそんな中でも、とにかく状況を冷静に俯瞰し、できないことに落ち込むのではなく、失敗を次につなげられるためにどうするか考えるよう心掛けました。
留学を振り返って
留学前は考えたことがなかったですが、振り返ってみると、留学の1番の醍醐味はたくさんの困難に直面しそれを解決することで、自分でも実感できるくらい、自分が大きく成長できることだと思います。
語学力に関して、簡単な挨拶しかできなかった留学当初と比べると本当に成長できたと感じます。渡航当初から仲の良い台湾人の友人から、初めの頃はほとんど話せなかったのに、普通に会話できているのがすごいと言われた時は、とても嬉しかったです。また、アルバイト期間中など自分のことを全く知らない人と話すときに、日本人であることに気付かれなかったり、中国語の発音が上手いと褒めていただけたりすることが留学後半は増え、成長を実感できました。
留学中は、言いたいことが伝わらなくて悔しい思いをたくさんしました。だからこそ褒めてもらえた時の喜びはひとしおです。また、約2年の台湾生活で大切な友人と出会い、インターンやアルバイトなどたくさんの貴重な経験ができたことがとても嬉しく幸せだったと感じます。
今後留学を考えている学生へのメッセージ・アドバイス
留学は、準備する中で不安が募ることもあるでしょう。行くまでも、行ってからも初めてのことだらけで大変なことばかりですが、きっと毎日が新鮮で、かけがえのない思い出で溢れ、帰国後も記憶に濃く残る素敵な経験になると思います。もし迷っているのであれば、是非一歩踏み出してみてほしいです。