大学院経済学研究科
修了生のメッセージ
2015年修了生(社会人)
富山県内の中小企業にて管理部門として働いており、経営層とも距離が近く、経営分析を行い提言し、そして社内に浸透させる役割を担っています。専門商社として卸売業を営んでいますが、昨今の環境変化からビジネスモデルの変革が必要だと考え始め、また強い組織を作るための手法を学びたいと思い経済学研究科に進学しました。
経営戦略論と人的資源管理論を専攻しました。日々の仕事をこなしながらの通学であり4年間の履修制度を活用しました。夜間や土曜開催の講座を主体に、可能な限り、労働法、管理会計、組織論などの専攻外分野にも貪欲に受講しました。時間をかけて幅広く知識を得ることができたことは大変、有益でした。
しかしながら、自分にとって何よりも成長できたのはゼミナールです。入学当初は「手法(知識)を学びたい」でしたが、手法を知るだけでは実践に活かせません。ゼミではロジカルシンキングを鍛えることができました。ゼミでは「問題点は何か?」を常に問われ、発表する際には「図式化による説明」を求められました。ロジカルに整理できていないと図式化できないのです。ゼミナールでの指摘は、刺激的で、頭脳がフル回転し4時間のゼミがなんと短く感じました。この鍛錬が今に活きています。修士論文の作成も、入学当初は手間としか受け止められませんでしたが、書き上げてみれば、あれがロジカルシンキングを試す集大成です。良い経験をさせていただけましたし、自信になっています。
ロジカルシンキングは日々の業務すべてにおいて活きています。例えば外部環境・内部資源を分析する SWOT 分析の手法を知っていても、それをロジカルに分析し展開できなければ、結局は利益を稼ぐことには繋がりません。
問題点は何か、問題点を解消するための対策(仮説)は何か、対策を施すための手法は何を用いて検証すべきか。経営戦略を考える時、事業計画・年度計画を策定する時、部下の行動管理(PDCA 管理)の制度を上げる時、そして自身の業務を遂行する時に役立てることができていると感じています。
2013年修了生(留学生)
私が経済学研究科へ進学するきっかけとなったのは、自然豊かな富山で経済学を学びたいと思ったからです。修士課程へ進む前、富山大学へ交換留学生として1年間経済学科へ留学していました。富山に来た初日、私は山頂に真っ白な雪の積もった立山連峰を教室の窓から見て、非常に印象に残りました。富山は立山連峰以外にも、海、大きくて澄んだ川、温泉等があり、大学の周りも閑静な住宅街のため、学習するにはまさに最適な土地でした。このような自然豊かな環境に恵まれた中で、学習に励むことができました。また、各国から来た留学生や日本の学生と仲良くなり、あっという間に1年間が過ぎ、交換留学の期間が終了したので帰国しました。しかし、富山での留学生活が忘れられず、富山でもう一度学びたいという気持ちが強くなり、経済学研究科へ進学しました。
経済学研究科では、自身が掲げた論文の学習補完のために統計学、国際経済学、マクロ経済学、ミクロ経済学を学習しました。交換留学時より学習内容が格段と難しくなりましたが、私の疑問点に対して先生方が丁寧に教えていただき、一歩ずつ前進していくことができました。富山大学で2年間の修士課程を終えた後、さらに専門性を磨くために別の大学院の博士課程へ進学し、現在は国際公共政策の学習に日々励んでおります。博士課程での学習は修士課程よりも格段と難しくなりましたが、富山大学で学んだことが現在の研究に直結していると実感しております。
ここまで私の進学理由、経済学研究科での学習内容、経済学研究科卒業後についてご紹介させていただきました。最後になりましたが、私から富山大学経済学研究科へ進学をお考えになられていらっしゃる皆様へメッセージをお伝えさせていただきます。富山大学は自然豊かでかつ閑静な住宅街の中にある勉強に最適な場所です。また、ご自身の目標設定に対して学問を選択でき、先生方の丁寧なご指導を受けたり今後の進路についても相談に乗ってもらうことができます。また、国際交流活動も盛んなので、有意義な学生生活を送ることができます。心配することはありません。私も進学前は不安でしたが、その不安はすぐになくなりました。自然豊かな富山であなたの学生生活を送ってみませんか?最後には富山大学を選んで良かったと思えるはずです。皆様の学生生活が有意義になりますよう応援しております。
2012年修了生(社会人)
私は、富山県庁での20年余にわたる勤務の中で、人事制度や業務改革などの分野の仕事に携わったことをきっかけに、人事や組織の活性化に興味を持つようになりました。公務員も民間の手法に倣う必要があると考え、民間企業を対象にしたセミナーに参加したり、自主的な研究サークルで勉強したりしていたのですが、さらに論理的・専門的に学びたいと思い、大学院進学を考えました。
通信制の放送大学大学院も検討しましたが、ちょうど富山大学大学院で学生を募集していることを知り、昼夜開講制で社会人の受け入れにも積極的であることから、受験を決意しました。人的資源管理ご専門の馬先生がおられ、身近に色々相談したり議論したりできるということが決め手になりました。
入学してからは、まずは馬ゼミを中心として、人的資源管理について深く学びました。基本となる文献の輪読、分野の最先端で行われている研究論文の読解・発表、民間における人事制度導入事例についての考察・討議など、様々な面から「人的資源管理」という学問分野にアプローチしました。馬先生や一緒に学んでいたゼミのメンバーたちと、ときには時間も忘れて激しい議論を戦わせたのは、とても刺激的で、今でもその様子がいきいきと蘇ってきます。修士論文は、「地方公共団体の人的資源管理」として、全国の県庁と市役所を対象にアンケートを実施、その結果を計量的に分析して人事制度のマッチングについての仮説を検証しました。
また、人的資源管理以外にも、経営学・経済学の他分野についても広く学ぶことができました。特に、経営戦略の内田ゼミでは、ケーススタディーについて書いた受講生のレポートを元に、民間の経営者の方も交えて議論が進められ、多面的で臨場感のある経営戦略の考え方を身につけることができました。それ以外には、自らの研究テーマに関係する分野である計量経済学、労働法のほか、仕事に関係のある分野、経営学関連の興味分野、個人的な興味分野など、非常に多くの分野の学問に触れることができました。これらの科目の中には、希望により当初の予定を変更して夜間開講となったものも多くあります。このように、社会人大学院生の便宜を図っていただきました。
富山大学で学んだことは、もちろん仕事にも活かしていますが、3年間(注:長期履修制度を使い、正規では2年間の修士課程を3年間かけて修了しました)学ぶうち、研究をもっと究めたいという思いが強くなり、大阪大学の博士後期課程に進学しました。今の専門分野は、人事経済学と、少しアプローチの方向が変わりましたが、研究の対象は同じく「人事」です。人事制度の効果や成果について、定量的・客観的に示すような論文を執筆しています。
最後に、富山大学の経済学研究科への進学を考えている方へ。
経済学研究科は、ビジネスに関係するあらゆることを学ぶ機会を提供しています。そして、自ら求めれば、必ず求める以上に刺激的で有益なものを返してくれる場であり、特に、社会人にとっては、社会で経験したことを意味づけ、体系づけて、さらに発展させる方策を考え、議論するチャンスを与えてくれる場であると言えます。皆さんも、経済学研究科の門を叩いてみませんか。
2009年修了生(留学生)
私は2005年9月に、中国から来日し,富山大学経済学研究科に入学,2009年3月に修了しました。現在は、東京の電気機器メーカーで働いています。
2年後に、日本に行って、またチャンレンジすることを決めました。その時、日本にいる親戚が富山大学を紹介してくれました。私は、まず富山大学のHPをチェックして、勉強したい専攻を決めました。そして、自己紹介やこの専攻に決めた理由などを書いて、中国から先生にメールを送りました。先生よりゼミに入る許可を頂いた後で、留学手続きを始めました。
その後、研究生そして大学院生として、3年半、富山大学経済研究科で勉強しました。専門は経営戦略でした。経営戦略と言えば、企業が持続的競争優位を達成する為のポジショニングを構築することです。在学中に、経営戦略だけではなくて、人的資源、物流、企業理念などの専門知識も勉強しました。たくさんの本を読んで、たくさんの経営ケースを研究して、日々の勉強で大変充実な生活を送りました。そして,いろいろなイベントにも参加させていただきました。中国留学生の餃子宴会、他の大学の留学生との交流会、年に一度の富山大学留学生パーティなどを通じて、各国の留学生とコミュニケーションをとって、たくさんの友達を作って、とても楽しかったです。
卒業後、私は東京で就職しました。最初は営業の仕事で,どのようにすれば商品が売れるのか、私は悩んでいました。その時、以前勉強した経営戦略の知識を利用して、「差別化」、「コストダウン」、「自社強み」などの経営戦略のキーワードを意識して、営業活動をしました。大学院で勉強した知識は自分の仕事でちゃんと生かしました。現在、私は会社のグローバルサービスセンターで上海の子会社と連携して業務を行っています。日々の仕事で勉強した経営戦略のWIN-WIN関係作りの知識を利用しています。
富山は、綺麗な街です。春の桜、冬の雪、新鮮な魚、甘い米が大好きです。一番好きなのは、富山の人のやさしさです。就職活動の時,模擬面接までしてくれた先生、引っ越しした時手伝ってくれた大家さん、バイト先でなんでも相談できたおばさん、富山の人の笑顔を忘れることができないです。懐かしいです!
富山は、東京より静かもしれないし、遊ぶところは少ないかもしれないです。しかし、富山は留学生にとって、とても生活しやすい、勉強に専念できるところです。みなさん、ぜひ富山大学に来てください。ここで、いっぱい勉強して、いっぱい遊んで、楽しい留学生活を送りましょう。
2009年修了生(社会人)
進学前に勤務していた小売販売企業では、男女問わず、従業員の退職率が非常に高く、多くの場合、就業者本人にとっても不幸であるばかりか、勤務する企業にとっても大きなコストとなっていました。他方、同業他社の中には退職率が非常に低く、さらに業績が年々上がっている企業が存在していました。そこで、「同業にもかかわらず、なぜ他社は自社よりも就業者の退職率が低いのか」、「そのことが企業の業績につながるのか」、「自分の勤務する企業に導入することは可能か」を論理的に学びたいと考え経済学研究科に進学しました。
大学院では、前述の問題意識から人的資源管理論を専攻しました。また、人的資源管理は企業のビジョンや経営目標の達成に向けて、人材の活用、育成、管理等の中長期的企業戦略に密接に関わりますので、経営戦略論をサブ・ゼミとして選択しました。授業での文献精読、レポート作成、また修士論文作成を通じての文献のレビュー、仮説構築、調査データの検証を教官の指導を頂きながら行うことで、専門的な知識の取得は勿論のこと、問題意識、現象が発生する背景、因果関係を考察する能力が育成できたと考えます。
現在は、富山県の医薬品製造メーカの海外事業部に勤務しており、国内部門員のマネジメントから海外子会社のマネジメント、既存海外市場への供給製品戦略や新規市場参入戦略の検討、国内外企業との交渉や本社と海外子会社との調整等、幅広い業務範囲を担当しています。例えばマネジメントされる側である日本採用の外国人や現地雇用の従業員に、日本本社の制度や戦略を理解してもらうには、本社側が自社の制度や戦略のみならず、いわゆる日本企業について説明する必要がありあります。彼らにそれらを論理的に分かり易く説明する際に、大学院で学んだ知識が非常に役に立っています。
大学院では、経営学の知識だけではなく、ディスカッションやプレゼンテーションを通じて、企業での業務遂行において重要なコミュニケーション能力と論理的思考能力を育成することが出来ました。考えの異なるランク上位の者や顧客に対して、相手の意見を聞き、自分自身の考えをわかりやすく伝え説得を行うことは、企業現場においては頻繁にあることです。大学院の過程は専門的な知識に留まらず、企業での普段の業務に不可欠な技能を育成することが出来ると考えます。自身の仕事技能を向上させたいと考える社会人お方には、是非とも大学院での学習をお勧めします。