国際交流
留学報告書
経済学部経済学科4年 男子
留学先:中南林業科技大学(2016年11月~2017年2月)
留学の動機と準備(語学、ビザなど)
留学の動機
留学のきっかけは、ゼミの先生に留学を勧められたことでした。私は以前から留学への興味こそあったものの、実際に留学へ向けて行動するまでは至っていませんでした。しかし、先生の勧めがあった頃、私は既に就活と授業が終わっていて、卒業までは時間があるという状態でした。留学に行くことで卒業までの時間を有効活用できると思い、留学を決めました。
留学の準備
留学にあたって必要なことは、留学の申請とビザの申請でした。留学の申請は教務と連携して行ってください。ビザの申請についてですが、私の留学は3ヶ月の短期留学だったので、X2ビザが必要でした。X2ビザとは180日以内の留学に必要なビザです。180日以上の留学はX1ビザが必要になります。ビザの申請は直接申請しに行く方法と、代行業者に依頼する方法があります。具体的な申請方法は最新の情報に従ってください。私は地元である新潟の総領事館に直接赴いて行いました。
中国ビザアプリケーションセンター
中国語は自分で勉強していこうと思っていましたが、結局自分ではやる気が起きず、ほとんど何も話せない状態で渡航しました。
留学生活について
住居(寮やアパートの設備)
大学内の留学生寮に住みました。寮費は3ヶ月間で、1800元(留学当時のレート:1元=約16元で、日本円に換算すると約3万円)でした。寮費には電気代・温水代・水道代も含まれています。2人部屋でしたがルームメイトはおらず、一人暮らしとなりました、テレビ、冷蔵庫、クローゼット、勉強机がありました。シャワーはしっかりと温水がでます。浴槽はありません。洗濯機は共同のものが寮内の共同キッチンスペースにありました。ちなみにキッチンスペースには調理用のコンロがありません。電子レンジはありました。
生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法、携帯電話など)
・気候
長沙の平均気温は富山よりも高めです。しかし、真冬になると零下まで気温が落ちることがあり、しっかりとした防寒対策が必要です。天気は曇りが多かったです。雪は近年降ってないようです。ちなみに、夏には40度近くなるようです。南方に位置しているので湿度も高いようです。空気は日本と比べると悪いですが、マスクは必要ないと思われます。
・大学周辺の様子
中国の大学生は一般的に学内の寮に住むので、大学構内・周辺には生活に必要なお店は一通りそろっています。飲食店も非常に多く、職には困らないでしょう。ただし、冬休みになると学生が一斉に帰省するので、それに合わせてほとんどのお店が閉店します。その点は注意が必要です。本当にほとんどのお店が閉店します。
・交通機関
寮から徒歩15分ほどの場所に地下鉄の駅があります。地下鉄を使えば長沙のたいていの場所へはいけるでしょう。料金も地下鉄は3元~、バスは2元~と格安です。ICカードも使うことができます。タクシーも日本と比べて安いですし、アプリで配車ができるので交通の面で困ることはないでしょう。片言でも中国語が喋れればぼられる心配もありません。また、バスも多く走っています。バス停も大学の正門・後門それぞれの近くにあります。
・お金の管理方法
お金は新生銀行の口座を開設し、そこから引き出していました。中国の銀行口座は開設しませんでした。新生銀行の口座は海外にいても現地通貨で引き出すことができるので便利です。ATMは大学構内にもあります。ただ、中国の銀行の口座を持つメリットもあります。それは、支付宝・微信支付といった決済方法が使えるようになるということです。これらの決済方法は中国大陸で生活するうえでは非常に便利です。この点は自分で調べることをお勧めします。
・携帯電話
携帯電話とSIMカードは現地で購入しました。携帯は500元(約8,300円)ほどの安いモデルを購入しました。もしあらかじめSIMフリーの携帯を持っていれば。SIMカードの購入のみで済みます。料金プランは沢山ありますので、現地のチューターや友達と相談して決めるのが良いです。私の場合は一か月のデータ通信容量2GBに電話220分のプランを使っていました。一か月の使用料は約100元(約1,600円)でした。
留学時の毎月の生活費(寮費、食費、娯楽費などの概算)
一か月の生活費は約3100元(約51,000円)です。食費・交際費は少し高いかもしれません。というのも、せっかくの機会だからと思い、あまり節約せずに派手に使っていたからです。近場ですが旅行に行ったり、カラオケに行ったり、美味しいものを食べに行ったりしていました。日本で同じことをしたらこんなに安くは済まないでしょう。ちなみに、物価は基本的に日本の半分と考えておくといいと思います。
寮費 600元(約1,000円)
交際費・食費 2400元(約40,000円)
携帯電話 100元(約1,600円)
学習、研究以外の活動(スポーツ、文化活動、週末や長期休暇の過ごし方など)
林科大は日本語学科があります。そこの学生と友達になり、週末は彼らと一緒に行くことが多かったです。また、長沙では日本語を勉強している学生が多いです。日本語の塾もあり、そこで簡単な授業をすることもありました。(授業といっても学生と日本語でお喋りをするだけですが。)そこの学生たちとも仲良くなりました。長沙は日本人が少ないので、日本語を学ぶ人にとっては貴重な存在のようです。
留学中の学習の概要
私は経済学院生として留学しましたが、林科大では学習したのは経済学ではなく中国語でした。何故なら私の留学の目的は、中国での生活を体験することだったからです。平日は国際学院の留学部で、クラスメートと一緒に中国語クラスで中国語を勉強しました。クラスメートは留学生の他、現地の中国企業で働く社会人や、現地で博士号を取るために中国を勉強している人など、色々な境遇の人がいました。日本人は私一人だけでした。授業はとても雰囲気が良く、楽しみながらもしっかりと中国語を勉強することができます。授業は英語と中国語で行われました。私は、渡航直後は「你好」と「謝謝」くらいしか喋ることができませんでしたが、3か月の留学が終わるころには簡単な日常会話ができるレベルになりました。
留学面での苦労・アドバイス等
留学面での苦労
私が困ったのは、多くの友達が長期休暇になると帰省してしまったことです。冬休みは1月の前半から2月の終わり頃までですが、その間友達はほとんど一人残らず帰省してしまうので、彼らと会うことができませんでした。幸い、長沙出身の友達がいたので彼と遊び、春節には日本語塾の先生の帰省に一緒について行って、中国農村の生活を体験することができました。
また、春節の時期は大学近くのお店はほとんど閉店するので、買い物にも不自由しました。この点は注意が必要です。また、私の留学期間は3か月ととても短かったのですが、やはり行くなら半年以上は滞在した方がいいと思います。何故なら、3か月の間にいろいろな人との出会うことができましたが、彼らと仲良くなる前に帰国となってしまい、十分に交流ができなかったからです。また、中国語の学習も中途半端に終わってしまいました。この点は後悔が残りました。
留学を振り返って
留学に行って良かったと思っています。何故なら、留学に行ったことで中国の実情を垣間見る事が出来たからです。現在、日本人も中国に対する印象はあまり良くないと思われます。しかし、その判断基準はおそらくネットかニュースだけであり、実情を見ないでする判断は現実と則さない場合があると思います。留学中、たくさんの中国人と出会いました。彼らは日本が嫌いだったでしょうか?少なくとも、私があった中国人は日本の事が好き、もしくは分からないという人がほとんどでした。ただし、日本政府と戦争の歴史については悪い印象を抱く人が少なくありませんでした。その様な人も、歴史(過去)と現在は別であることを理解している様でした。
今、中国の都市では自転車に乗って移動する人はほとんどいません。乗用車と電動スクーターが走り回っています。自分の訪れた長沙市は、中国の中では中級都市ですが、人口は750万人。これは愛知県の人口とほぼ同じです。地下鉄は2路線が通り、将来計画では計12路線が開通する予定です。街ではどのお店でもスマホの電子決済が使え、小さな食堂でもWiFiがあります。農村でもお年寄りは携帯かスマホを使っている。
ネットに情報が溢れる今でも、他の国の実情は実際に行ってみないと知る事が出来ません。そんな中で、自分が見聞きした情報だけで世界を作るのは間違っていると感じました。実は中国のことをよく知らないのに、知った気になってはいないでしょうか。もちろん、中国人の中にも悪い人はいるでしょうし、日本人のことが大嫌いな人もいるとは思います。しかし、中国人を一括りにして問題を語るのは短絡的過ぎると思います。3ヶ月という短い時間、しかも自分が訪れたのは長沙市という南方の一地方都市です。よって、中国の全てを理解したわけではありません。しかし、日本にいては知ることが出来ない事を知り、自分の知らない事はまだまだ沢山あるという事も理解しました。以上のように、私は留学に行って良かったと思います。
今後留学を考えている学生へのメッセージ・アドバイス
今、あなたが留学へ行こうかどうか迷っているとしたら、思い切って行ってみることを強くお勧めします。ソクラテスの「無知の知」という言葉はありますが、留学はこの意味を、身をもって体験できる機会の一つだと思います。留学では、日本にいては体験できないことが沢山体験できます。それらを通じて外の世界の広さを知り、同時に、自分の今まで置かれていた世界の狭さにも気付くことになるでしょう。そのような体験はこれからの人生において必ず大きな財産となると思います。また、もし資金の面で迷っている場合、奨学金の制度もありますから、それを利用するのも良いと思います。大学の4年間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。時間がある今のうちに、ぜひチャレンジしてみてください。
交流協定校に留学経験をした学生の報告書です。
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