国際交流
留学報告書
経済学部経営学科 4年 男子
留学先:チュラロンコン大学(2017年8月~2018年1月)
留学の動機と準備(語学、ビザなど)
留学の動機
私は、ASEANと最貧国が混在する東南アジアの現状を、現地視点で体感するために留学を決意しました。現在、東南アジアは経済成長が著しい発展途上国と、カンボジアやラオスなどの後発発展途上国が混在しています。この格差の原因を日本と最も密接な関係にあるタイで学ぶことで、その本質を深く追及するだけでなく、タイ経済、そして日本の役割を学べると思い、タイを留学先に決めました。また、“タイの東大”とも称されるチュラロンコン大学で世界中の優秀な学生と切磋琢磨して、一生涯の友達をつくり大学卒業後も共にグローバルに活躍したいと思い、留学を決めました。
留学の準備
授業は全て英語で行われるため、規定以上のTOEFLiBTスコアを取得して2月頃に出願しました。タイ語の準備は特にしませんでした。また、富山大学基金事業学生海外留学支援プログラムにより奨学金を申請・受給しました。6月中旬に就活を終えて、8月から留学しました。
留学生活について
住居(寮やアパートの設備)
留学生向けの寮に住んでいました。家賃は月14,000バーツと他の寮よりも割高でしたが、24時間常にセキュリティが常駐していたり、清掃サービスがあるなど快適に過ごしました。
生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法、携帯電話など)
・気候
30℃を下回る日が珍しいほど、常夏の国でした。また、8~9月にかけてはスコールがひどかったです。
・大学周辺の様子
大学がバンコクの中心に立地しているため、周辺にはデパートから美術館までなんでもあります。
・交通機関
駅が近くにあるためどこにでも行くことができます。また、タクシーも初乗り35バーツ(約120円)と非常に安いです。
・食事
寮の近くにあるお店と、大学の食堂をよく利用していました。品揃えが非常に豊富であるだけでなく安く美味しかったので、毎日違うタイ料理を食べていました。たまに百貨店で日本食も食べていました。
・お金の管理方法
セブン銀行を通してお金を両替・送金してもらっていました。
・携帯電話
大学や寮にwifiがあるので、日本で使っていた携帯をそのまま使用していました。
留学時の毎月の生活費(寮費、食費、娯楽費など)
奨学金と親からの仕送りをもとに生活していました。生活費はどの留学生も月6~8万円くらいと言っていました。
学習、研究以外の活動(スポーツ、文化活動、週末や長期休暇の過ごし方など)
少数民族の村を訪れたり、タイ最北端の街でタイ人とシンガポール人とクリスマスを過ごしました。時にはフルマラソンに挑戦したり地元のお祭りに参加するなど、1日たりとも無駄にすることなく、刺激に満ち溢れた毎日を全力で生き抜きました。 タイだけでなく、隣国のラオスにも1週間一人旅をしました。最貧国といわれるラオスでは、道路などのインフラ整備が十分ではないという国としての課題を実感する一方、特産品である絹織物の美しさやメコン川の雄大さに感動するなど、日本やタイとはまた一線を画した、一概には言えない経験を得ることができました。
留学中の学習の概要
行動経済学など富山大学で受講していなかった科目だけでなく、タイ国内外の貧困問題や移民問題について学ぶ開発経済学、民主化や革命が起こる仕組みを数式で証明する公共経済学などのユニークな科目も受講しました。授業は1コマ3時間あり、全て英語で行われました。どの授業も教科書だけでなく、各分野の最新の研究・論文も併せて学びました。例えば、昨年度のノーベル経済学賞は行動経済学に関する研究でしたが、受賞が決定した翌週の行動経済学の授業はシラバスの予定を変更して、どのような研究が受賞されたのかを学びました。また、どの授業も単に聴講するだけでなく、様々な国の人たちとグループを組んでレポートやプレゼンテーションを作成・発表しました。共同作業にありがちな意見の不一致やスケジュール調整だけでなく、言語の壁も意思疎通の齟齬を引き起こしました。しかし、それらの困難をメンバー全員で乗り越えてFinal Examを終えたときの達成感、そしてもうこのメンバーで切磋琢磨できないという空虚感は何物にも代えがたい経験になりました。英語力やプレゼンのスキルなど授業で学ぶ内容以上の能力だけでなく、国境を越えた一生涯の友達を作ることができました。当時のメンバーとは、帰国した今でも毎日連絡を取り合っています。また、私は卒業論文にて日本とタイの国際比較分析を行うために日本語とタイ語でアンケートを作成し、タイ人の友達にも協力してもらい路上調査を行いました。日本とタイの2か国でアンケート調査や企業インタビューを行った甲斐もあり、富山大学経済学部の優秀論文に選出して頂けました。
留学面での苦労・アドバイス等
留学面での苦労
生活面ではほとんど苦労することは無かったです。日本との違いを楽しみながら生活しました。
留学を振り返って
今回の留学を通して、私はどのような状況でも自分自身を裏切るようなことをせず、全力を尽くすことの大切さを学びました。知識も経験も少ないまだまだ未熟な私ですが、いまできる最大限の努力を絶えず継続することが結果的に多くの人と結びつき、先行きが不透明な将来を自分自身の意志をもって切り拓く経験を積むことに繋がることを強く体感しました。私は、翌春より三菱電機株式会社に就職します。今回の留学を通して得た多くの経験を活かして、各国の根幹を支えるグローバルな人材になれるよう、より一層邁進します。
今後留学を考えている学生へのメッセージ・アドバイス
留学した方がいいとか留学は意味ないとか様々な意見があると思いますが、結局はその人次第で、どれだけ積極的に、夢に向かって行動できたかによって留学の意義や成果は大きく変わると思います。留学を考えている方には少しでも参考になれば幸いです。
交流協定校に留学経験をした学生の報告書です。
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